ここ最近。
木のバターケースの設計、試作・製作に明け暮れていた。

スクエアクラフトの第1号商品として、リリースする予定だ。

バターケースについては、
3年以上考えつづけている。

友人から、とある「木のバターケース」について
話を聞いたのがきっかけである。

その木のバターケースは、とても有名だ。
木の質感と優しい雰囲気を醸し出している。
入手まで1年、1年半かかるそうだ。


木のバターケースについて。
私なりに「こうあるべき」という考えがある。
それらの条件というべきものは、
3年前に友人からその存在を聞いた数日後に、
すでに理想として頭のなかにあった。

しかし、なかなかカタチにはならなかった。
それらの条件を満たす形と機構について、まとまらなかったから。
これまで、たくさんの素案が頭のなかをめぐり、
あまたのスケッチが目の前を通過していった。


ある日、それら条件を満たすアイディアがひらめいた。
この夏のことだった。

それは、ユニークな機構をもつ、
斬新ともいえるバターケースだ。
まあ、結果をみれば、普通かもしれないが。
それは、コロンブスの卵のような発想だった。

だが。
非の打ちどころがない、とは言いきれなかった。
ひとつのウイークポイントがあった。
でも、気にしなかった。
その弱点は、多くの木製のバターケースも持っているものだったし、
それを補ってあまりあるアイディアとアドバンテージがあったからだ。

だから、自身の発想を信じ、
試作を繰り返し、完成にこぎつけた。

折しも「工芸都市高岡 クラフトコンペティション」が、
作品を募集していたので、応募した。


審査の結果は…?
…かんばしいものではなかった。
応援していただいた方々に、なんと言っていいのやら。
この場で残念な結果を報告いたします。


なぜ? 何度も自身に問うてみた。
結果だけが提示され、その理由を知ることはできない。
工芸のコンペティションというのは、そういうものだ。

そして、バターケースのことを考えつづけた。
明けても暮れても、木のバターケースのこと。

結果いかんにかかわらず、
そのユニークな発想と機構には、確固たる自信を持っている。

しかし、残ったのは、ウイークポイントのこと。

もしかして。そこを解決していなかったから、
出展作品に、良い結果をもたらす推進力が
宿っていなかったのかもしれない。

どれほど素晴らしい仕組みのバターケースでも、
非の打ちどころがなければダメなのだ。

いまではそう思っている。


そして。ついさっき。

いままでの発想とは異なる
まったく新しいアイディアが降りてきた!

こんどのアイディアは、すべての条件を満たしている。
非の打ちどころがない。これは完璧だ !!

引き続き。
バターケースの設計、試作・製作に明け暮れる日々を送るつもりだ。

■ 2010/11/29■



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Illustration:Motoko Umeda
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非の打ちどころ