2008年4月〜2011年3月 工房創成期の軌跡
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木工はスリリングだ











木でモノを作る。
木を材料に、道具や機械を駆使してモノを製造する。
わたしも、製品を製造している人である。

私の職業、ざっくり分類すれば「製造業」だ。


そんな製造業の現場において、
通称「KY」と呼ばれる言葉がある。

“空気、読めない”ではない。
“危険予知”の略である。

危険というのは、事例を集めれば、
あるていど、予知は可能であるということだ。


しかしながら、木工においては。
木というのは、金属や樹脂のように、
材料が均質ではない。
同じ樹種でも、木目の密度の違いや、節があったりする。

均質ではなく、ムラのある木材に
毎分、数千・数万回転で回る鋭い刃物を入れて、
切ったり、削ったりするのは、
「KY、ケーワイ」と唱えようとも、
そんな危険予知さえ及ばない危険が存在することも。

それは、スリルともいえる。
そう、木工はスリリングだ。
一般的なイメージとは、違いがあることかと思う。


一日じゅう木工機械を回せば、
頭がグルグルとして、身体がフワフワとした感覚になることがある。
ジェットコースターに、たて続けに乗ったかのような、
スリルを堪能した感じ、といいましょうか…。

だからなのか。
木工をやり始めて、
クルマを、より安全運転で走らせるようになった。
安全速度。念入りな左右安全確認。

『スリルなんて、もうたくさんさ』
深層心理的にそう思っているからだろう。


【付記】
あの『マーフィーの法則』に
「スリル願望の法則」というのがある。

@一般人は安全なスリルを望む
A挑戦者は危険なスリルを望む
B異常者は危険を望む

私はAであり、@も該当する。
けっしてBではないと思うのだが…。


■ 2010/10/13 ■



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Illustration:Motoko Umeda