大阪や東京にいたころにくらべて、
あきらかに質素な生活をしている。
世が不景気ということもあり、
やっぱり出費を抑えていたりする。

消費が伸びない、といわれて久しい。
そうだからなのか。
メディアは得する話題、情報を
電波や誌面にのせることにやっきだ。
あっちこっちで、
「これがお得だ!」ってやってる。

いろんな“お得”が世に氾濫している。

そんな“お得の群れ”を
山の上から眺めるように、
お得について、ちょっと考えてみた。


例示してみる。

たとえば、これ。
「拾った宝くじが当たった」
これは、掛け値なしのイエス。
どっから見ても得だ。

つぎのケース。
「電車をよく使うから、回数券にする」
一般的に、10回乗ったら1回はタダ。
出費を抑えられるから得をした。イエスだ。


これはどうか。
「ポイントが5倍つくから、アイスを買った」

“ポイント5倍で 超おトク!”
そんな札がついてたりするから、買っちゃう。
で、得した気分……。

…うーん、どうかな?

冷静になって考えると、
べつに、食べたかったわけではない。
“おトク”に乗せられて、買ってしまった。
250円のハーゲン某チョコレートバー。

たしかに、ポイントはもらえた。ココロは満たされた。
だから、イエスと考えてもいい。
が、財布の中身は、確実に減ったわけだから、ノーか?
判断はグレーゾーンってとこで、
あとは主観にゆだねられるところだろう。


出したおカネ、その買いものが、
「絶対必要な出費」なのか?
あるいは、
「不要不急な浪費」なのか?

このフィルターにかけると、
そのお得が、ホントにお得なのか、
判断できる、かな。


閑話休題で、我田引水。
クラフトはどうだろう?

絶対必要ではない。
不要不急な出費だろう。

客観的見解として。
クラフトを買ったことで、得はしない。
よって、お得なクラフトってのはない。

あとは、
買っていただく皆さまの主観によって、
『いいねぇ。得した気分だね』と、感じてもらう。
それしか道はない。


■ 2009/11/15 ■



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Illustration:Motoko Umeda
2008年4月〜2011年3月 工房創成期の軌跡
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お得なクラフト