街ゆくサラリーマン諸氏。
スーツにボタン・ダウンのシャツの
組み合わせを多く見かけるようになった。

理由は明確。
クール・ビズの影響だ。

普通のカッターシャツでは、
ノー・ネクタイだと襟元が開いて、
昼間っから、飲んだ帰りみたいに見えるからね。
ボタン・ダウンだと、襟は広がらずに済む。


いまはむかし。
クール・ビズ以前のこと。
サラリーマンだった私。
ビジネスのワード・ローブのほとんどが、
ボタン・ダウンのシャツで占められていた。

ボタン・ダウンのシャツって、多くなかったし、
着ている人は少なかった。
探すのけっこう大変だったもの。


ボタン・ダウンを着てた、その理由は。
いろいろあって、語ると長くなるので…。

ボタン・ダウンでデザインされるシャツには、
「ボタン・ダウンだから、かくあるべし」という
ポリシーみたいなのがあって
それが好きだったってこともある。


それが、いまはどうだ、ボタン・ダウン。

「エリは、ボタン・ダウンにしとけばいいでしょ」
そんな感じのシャツが多いなと感じる。
生地の柄、襟のカタチ、ボタンの位置、
アン・バランスに感じるものが散見される。

勇気を出して、あえて、大きな声で言いたい
「カッコわるいぞ!」って…。

着る人に言ってるわけではない。
作り手に言いたいのだ。


大きな声で叫ぶと、
北アルプスに跳ね返ってきたのか?
こだまがかえってきた。

「木で作ったからって、オマエは満足してないか?」
それって「カッコわるいぞ!」と。

こちらも、もちろん、使い手に責任はない。
作り手に責任があるのだ。


■ 2009/10/16 ■



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Illustration:Motoko Umeda
2008年4月〜2011年3月 工房創成期の軌跡
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もちろん、
使い手に
責任はない