クラフトの値段について。
富山に行って考えた。


富山県は高岡で毎年開かれる
「工芸都市高岡 クラフトコンペティション」は、
出展した作品を選考し、入選作品を決める、
コンクールの形式のクラフト展だ。

このクラフトコンペ、
選ばれ、展示されている作品には、
堂々と販売価格がついている。

作品のテイスト、仕事ぶりを観察することはもちろん、
価格も、じっくりとチェックする。

こりゃ、キャンペーン価格かねぇと思ったり、
いやぁ、強気だなぁ〜と唸ったり。


さて、この価格というもの。
決めかたはいろいろあるようだ。

原材料費の●倍と決めている人もいれば、
製作時間をきっちりカウントする人もいる。
ライバルが作る競合商品と同レベルにしてみたり、
先に値段を決めて、そのなかで考える人もいる。

その作家が、新人か、ベテランか?
クラフトが、本業か、趣味的副業か?
そういったファクターもからんでくる。


本や雑誌の編集をしていたころは、
“先に価格ありき”だった。
価格に合わせて予算があり、
予算に合わせて本の体裁やボリュームが決まる。
内容(クオリティ)さえ、
この価格というものに、なかば運命づけられたものだった。

まあ、世の中の商品というのは、
先に価格ありきの場合が大半ではあるけど。

しかし、クラフトの場合は
そうでないケースが多くみられるようだ。


話は高岡に戻って。
値段、販売価格は出展者が決める。

これが選考委員とか、お客さんが決めることになったら…。
エキサイティングではあるが、ちとコワイか?


愛知は三河地方に、
宿泊客が宿泊料を決める宿があるらしい。
けっこうおトクかも。
いやいや。
いざ、支払いの段階になると悩むんだろなぁ…。


■ 2008/11/09 ■



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Illustration:Motoko Umeda
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